FEASIBILITY STUDY実現可能性調査

事業実現可能性調査 結果報告 2022年度

事業の経緯

  • 防衛装備品の海外移転を推進するためには、相手国が公表している装備品の調達計画に留まらず、各国の潜在的なニーズを早期に把握して提案に向 けた活動を行うことが必要です。
  • このため、防衛装備庁・商社・製造企業が連携して、相手国の潜在的なニーズを把握して装備移転に向けた具体的な提案を行う「装備品の海外移転に係る事業実現可能性調査」(FS事業)を令和2年度から実施

2022年度 調査の特徴

2022年度は、インド、ベトナム及びインドネシア3か国について、前年度の調査結果を活かした事業提案を具体化するとともに、対象国の軍・企業との面談等により新たなニーズを発掘。
また、新たにタイを対象国とし、装備政策一般や調達計画・調達制度を重点的に調査

2022年度 調査の成果(総括)

2022年度は、インド、ベトナム及びインドネシア3か国について、前年度の調査結果を活かした事業提案を具体化するとともに、対象国の軍・企業との面談等により新たなニーズを発掘。また、新たにタイを対象国とし、装備政策一般や調達計画・調達制度を重点的に調査

2022年度調査の主要成果

  • インド、ベトナム及びインドネシアについては前年度調査を深掘りし、実現可能性の高い案件の事業提案を具体化
  • 新たに対象国としたタイについては、装備政策一般、調達計画・制度等について把握

2022年度調査の主要成果(具体例)

インド軍への艦艇装備品導入事業の提案
  • 2023年度予算案で国防費は前年度比13%増の見込み
  • インド海軍はステレス性・耐雷性の向上やアンテナサイズのコンパクト化・軽量化・集約化に着眼し、当該技術を海外からの技術移転を通じて獲得することを企図
  • "Make-In-India"政策へ適合すべく、政府間による調整をサポート
  • 令和4年度は具体的な移転検討に向けて現地での製造能力の調査や訪日視察対応を実施
  • 官民による合意形成や知財保護、輸出管理体制について、より官民一体となった連携が必要
ベトナム軍への災害対処装備品導入事業の提案
  • 2022年、初めて国際展示会を実施しており、調達先の多角化を企図した動きあり
  • ベトナム国防省において救護救難を担う組織の日越往来の機会を捉え、日越政府間での協議を促進
  • 国内の中古装備品に関しても移転可否を検討し、幾つかの候補装備品を特定
  • 中古装備品を通じ、日本の防衛装備品への理解を深め、将来的に発生するニーズに関しては、新造装備品の提案に移行する構想
  • 政府間の合意に基づき、現地国防関連組織とのパートナーシップを活かし、円滑な移転を推進
インドネシア軍への戦闘服用難燃素材導入事業の提案
  • 2045年に首都移転を予定しており、これに伴う多額の予算が必要なため、防衛予算への影響も必至
  • インドネシア軍の被服に自衛隊の戦闘服にも使用される難燃ビニロン素材を使用する事業を提案
  • インドネシア軍においては、災害対処等に派遣される兵士を中心に、被服の難燃化のニーズあり
  • インドネシアの法律に基づく外国製品に対する規制であるローカルコンテンツの使用の要件を満たすため、日本から難燃ビニロンの素材のみを輸出し、原綿から製造工程を進め、最終製品として仕上げて、国防省へ納入する枠組みを検討
タイの装備政策、調達制度等の把握
  • 防衛予算はおおむね増加傾向、近年では年間8,000億程度の規模を維持(日本の防衛予算の15%程度)
  • 正式な定めはないが、防衛装備品の調達では、「カウンタートレード」「オフセット」が好まれる傾向
  • 契約金額の30%程度の「ローカルコンテンツ(装備品製造の一部や最終組み立てを現地企業に委託)」を提案に含めておくことが望ましい
  • 軍と現地エージェント企業の間に強固な信頼関係があり、外国企業は現地エージェント企業との連携が必須
  • 国境監視や災害対処分野は、装備移転を行う上で有望な分野
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